
この記事の要点
参照画像を2枚以上渡すとき、どの画像がどの役割かを文章で指定しても、守るかどうかはモデルによって変わります。14本のうち10本は3回とも指定どおりでしたが、4本は回によって作例の人物を描きました。
- 14本中10本は3回とも指定どおり。残り4本は回によって作例の人物が出た
- 同じ入力でも結果が変わる。1回の生成でモデルの良し悪しを決められない
- 「入れ替えろ」と文章で念を押しても、外れる回は外れた
- 作例を画像で渡すのをやめると、この4本もすべての回で正しくなった
目次
人物の写真と構図の作例を一緒に渡すと、写真の人ではなく作例に写っている人物が出てくることがあります。同じ指示を画像生成モデル14本に3回ずつ投げて、どれが安定して入れ替えるかを数えました。出てきた画像はすべて自分たちで生成して、1コマずつ目で確認しています。
何を渡して、何を数えたか
渡したのは2枚です。1枚目は被写体で、金髪にピンクの毛先、紫の目、黒いハットをかぶっています。2枚目は構図の見本にする作例で、こちらは灰茶のツインテールにピンクのリボンという別人です。
本文には画像ごとの役割を英語で書きました。1枚目はこの人物を保つこと、2枚目は構図だけを真似て、写っている人物は写さないこと。そのうえで「この人物で、表情ちがいのスタンプを9種、3x3で1枚に」と指示しています。
判定は単純です。出てきた9コマのうち、何コマが1枚目の被写体になったかを数えます。9なら指定どおり、0なら作例の人物に置き換わったことになります。
14本の結果
| モデル | 1回目 | 2回目 |
|---|---|---|
| GPT Image 2.5 Flare | 9 | 9 |
| GPT Image 2 | 9 | 9 |
| Nano Banana Pro (Gemini 3 Pro Image) | 9 | 9 |
| Nano Banana 2 (Gemini 3.1 Flash Image) | 0 | 9 |
| Nano Banana 2 Lite (Gemini 3.1 Flash Lite Image) | 3 | 9 |
| Seedream 5.0 Pro | 9 | 9 |
| Seedream 5.0 Lite | 計測できず | 9 |
| Seedream 4.5 | 9 | 9 |
| FLUX.2 Pro | 9 | 9 |
| FLUX.2 Klein 4B | 6 | 6 |
| Qwen Image 3 Pro | 9 | 9 |
| Grok Imagine Image 2.0 | 9 | 9 |
| Recraft V4 Styles Pro | 0 | 9 |
| Riverflow V2.5 Pro | 9 | 9 |
10本は2回とも9コマ全部が指定どおりでした。問題は残りの4本です。
同じ入力でも結果が変わる
Nano Banana 2 と Recraft V4 Styles Pro は、1回目が0で2回目が9でした。外した回は作例の人物をそのまま描き直していて、指示したスタンプの体裁ごと崩れています。
これは「このモデルは役割を守れない」ではありません。守る回と守らない回があります。実際わたしたちは最初に1回ずつしか測っておらず、この2本を守れないモデルだと書きかけました。2回目を取って初めて分かったことです。

運が悪かっただけ、ということですか?

使う側から見ると同じです。外れた回はクレジットを払って別人が出てきます。

当たり外れがあるものは、外れる前提で組む。
FLUX.2 Klein 4B は毎回いくらか混ざる
4本のうち FLUX.2 Klein 4B だけは傾向が違いました。2回とも9コマ中6コマが被写体で、残りの3コマに作例の人物が混ざります。当たり外れではなく、毎回いくらか混ざるという壊れ方です。
同じ FLUX でも FLUX.2 Pro は2回とも9コマ全部が正しく出ました。シリーズ名でまとめて判断はできません。
文章で念を押しても直らない
役割のラベルに加えて「2枚目に写っている人物を1枚目の人物に置き換えること。完成した画像に2枚目の人物を出さないこと」という一文を足して、もう1回ずつ生成しました。
| モデル | ラベルのみ | 念押しの一文あり |
|---|---|---|
| Nano Banana 2 Lite | 3 | 9 |
| Nano Banana 2 | 0 | 0 |
| Recraft V4 Styles Pro | 0 | 0 |
| FLUX.2 Klein 4B | 6 | 5 |
戻ったのは Nano Banana 2 Lite だけです。FLUX.2 Klein 4B はむしろ1コマ悪くなりました。プロンプトの書き方で解決する問題ではありませんでした。
作例を画像で渡さないと直った
作例の画像を外して被写体1枚だけにし、構図は文章で伝える形に変えました。この条件では4本ともすべての回で9コマが被写体になり、スタンプの体裁も保たれています。
- Nano Banana 2 … 3回とも9
- Nano Banana 2 Lite … 3回とも9
- Recraft V4 Styles Pro … 3回とも9
- FLUX.2 Klein 4B … 3回とも9
作例を1枚外しただけで当たり外れが消えました。役割を読み分けられないモデルには、読み分けが要らない入力を渡すほうが確実です。
使うときにどうするか
参照を2枚以上渡すときの順番
まず人物を優先する
被写体の写真と構図の作例で迷ったら、被写体を残します。構図は文章で書き足せますが、顔は書けません。
2回出してから決める
1回目で別人が出ても、そのモデルが使えないとは限りません。逆に1回目が良くても、2回目で外れることがあります。
混ざるモデルは枚数を減らす
毎回いくらか混ざるモデルでは、参照を増やすほど混ざる元が増えます。1枚に絞るほうが早く収束します。
よくある質問
- 参照画像は多いほうが似ますか。
- 枚数と同一性は別の話です。今回の計測でも、作例を1枚足したことで被写体の同一性が壊れました。目的の違う画像を混ぜると、モデルはどちらを描くか判断できません。
- 画像の形式や解像度は結果に影響しますか。
- 影響しませんでした。元のPNGと、長辺1024のWebPに落としたもので同じ結果でした。別人が出るのは前処理ではなく、複数の参照の役割を読み分けられないことが原因です。
- どのモデルを選べばいいですか。
- 参照を2枚以上渡すなら、上の表で2回とも9だった10本から選んでください。今回外れた4本も、参照が1枚だけなら問題ありません。


